2018年12月23日に行われた全日本フィギュアスケート選手権3日目は、大阪東和薬品ラクタブドームで女子フリーがあり、オリンピック経験者の坂本花織選手が自己ベストの152.36点を出し、ショート2位から逆転で初優勝を決めました。
グランプリファイナルで初優勝した紀平梨花選手は2本のトリプルアクセルを決めるなど、ほぼミスのない演技を見せ、フリー1位となる155.01点をたたき出し、合計223.76点。ショート5位から追い上げ、準優勝しました。全日本選手権で4連覇中の宮原知子選手は終盤のジャンプにミスがあり、フリーで146.58点。合計223.34点で3位となり、惜しくも5連覇を逃しました。
1.女子フリーの結果
2018年12月23日(日)に行われた全日本フィギュアスケート選手権・女子フリーの結果を7位までまとめました。順位 | 選手 | 総合 | フリー | 技術点 | 演技構成点 | 減点 | ショート |
---|---|---|---|---|---|---|---|
坂本花織 | 228.01 | 152.36 | 79.11 | 73.25 | 0.00 | 75.65 | |
紀平梨花 | 223.76 | 155.01 | 82.95 | 72.06 | 0.00 | 68.75 | |
宮原知子 | 223.34 | 146.58 | 71.49 | 75.09 | 0.00 | 76.76 | |
4 | 三原舞依 | 220.80 | 147.92 | 78.15 | 69.77 | 0.00 | 72.88 |
5 | 樋口新葉 | 197.63 | 125.00 | 59.78 | 66.22 | 1.00 | 72.63 |
6 | 山下真瑚 | 197.14 | 134.20 | 69.29 | 64.91 | 0.00 | 62.94 |
7 | 横井ゆは菜 | 196.37 | 130.10 | 69.59 | 60.51 | 0.00 | 66.27 |
※それぞれ1位の点数に色をつけました。
滑走順は、紀平⇒樋口⇒三原⇒宮原⇒坂本の順でした。紀平選手の演技が終わった時点では紀平選手が暫定1位となり、逆転優勝かと思いましたが、三原選手、宮原選手も紀平選手に迫る点数をたたき出し、接戦となりました。最終滑走の坂本選手がミスなしで圧巻の演技を見せ、最後の最後で逆転優勝を勝ち取りました。みんな自己ベストを更新し、今年の全日本選手権は誰が優勝してもおかしくない、緊迫感のある大会でした。
2.【1位】坂本花織 228.01点
坂本選手はショート2位でしたが、フリーで152.36点を取り、228.01点で優勝しました。フリーで最終滑走だった坂本はジャンプが好調でした。大会前まではフリーの自己ベストが142.61点でしたが、10点近く伸ばし152.36点を取りました。技術点の79.11点は紀平選手に続く全体で2位の点数で、オリンピック経験選手としての意地を見せてくれました。キス&クライで得点が発表されると、優勝が決まり、喜びを爆発させていました。
3.【2位】紀平梨花 223.76点
紀平選手はショート5位でしたが、フリーで155.01点を取り、223.76点で準優勝しました。ショートでトリプルアクセルで転倒し、首位の宮原選手に8点近い差をつけられ5位と出遅れてしまった紀平選手でしたが、フリーでは冒頭のトリプルアクセル―3回転トーループ、続く単独のトリプルアクセルを成功させ、技術点だけで全選手の中で1番高い82.95点を稼ぎ出しました。ショートでは靴の状態を気になり、ジャンプを失敗してしまいましたが、フリーではそこを修正してきました。「朝にはテーピングの巻き方が決まった。自分の演技をどうやるかに集中した。靴にも感謝したい。」とフリーの演技を振り返りました。
4.【3位】宮原知子 223.34点
宮原選手はショートで首位でしたが、フリーで逆転を許し、223.34点で総合3位でした。宮原選手は演技後半の3回転フリップが2回転に、続くダブルアクセルからの3連続ジャンプでも回転不足を取られ、技術点が伸びませんでしたが、演技構成点は全選手で圧巻の1位でした。宮原選手は演技後「3位にとどまって良かったが、演技はもう少し良いものができた。」と振り返りました。以前よりジャンプの回転不足を取られることが不安要素としてありましたが、これが今回出てしまいました。今後の課題にもなってくるだろうと思います。
5.まとめ
優勝した坂本選手を含め、本大会では選手それぞれが自己ベストを出しており、選手の成長を感じるレベルの高い大会でした。特に上位5名の選手のスコアを見てみると、フリーでは全員が自己ベストを出しています。女子フィギュアスケート界のレベルが上がっていると改めて感じました。順位 | 選手 | ショート 今回 |
ショート 自己ベスト |
フリー 今回 |
フリー 自己ベスト |
合計 今回 |
合計 自己ベスト |
---|---|---|---|---|---|---|---|
坂本花織 | 75.65 | 71.29 | 152.36 | 142.61 | 228.01 | 213.90 | |
紀平梨花 | 68.75 | 82.51 | 155.01 | 154.72 | 223.76 | 233.12 | |
宮原知子 | 76.76 | 76.08 | 146.58 | 145.85 | 223.34 | 219.71 | |
4 | 三原舞依 | 72.88 | 70.94 | 147.92 | 138.28 | 220.80 | 209.22 |
5 | 樋口新葉 | 72.63 | 66.51 | 125.00 | 114.78 | 197.63 | 181.29 |
※それぞれ本大会が自己ベストだった点数に色をつけました。
次回のフィギュアスケート大会は四大陸選手権です。
【大会概要】
大会名称:四大陸選手権
開催期間:2019年2月8日~11日
開催場所:米国・カリフォルニア州アナハイム
参加国は、ヨーロッパを除くアジア、アメリカ、アフリカ、オセアニアの4つの大陸の選手です。強豪のロシア選手は参加できません。各種目ごとに各国最大3名なので、日本女子選手も3名が出場することになります。
女子スケート選手のさらなる活躍を期待しています。