2019年2月6日~2月11日に四大陸フィギュアスケート選手権がアメリカ・アナハイムで開催されました。日本代表としては、宇野昌磨選手、田中刑事選手、友野一希選手、坂本花織選手、紀平梨花選手、三原舞依選手が出場。紀平選手は公式練習中に左手薬指を怪我してしまい、100%では無い中での演技でした。
【女子フリー】
2月9日、紀平選手が怪我をしていてもトリプルアクセルを決め、圧巻の滑りでショートの5位から大逆転、みごと優勝しました。左手薬指を怪我していたことを忘れさせるような観客を引き込む素晴らしい演技でした。良い演技をするために失敗できない2本目のジャンプをトリプルアクセルからダブルアクセルに変更した判断も的確でした。これで今季出場した国際大会は5戦5勝としました。
【女子ショート】
2月8日、女子ショートが終わり、紀平選手は68.85点で5位となりました。けがの影響もあり、冒頭のトリプルアクセルが1回転となり、0点判定になってしまったのが痛かったです。でもそれ以外は素晴らしい演技でした。1位までの点数差は5.06点なのでまだまだ逆転可能な範囲です。けがの具合が少しでも良くなり、紀平選手の実力が出せるようになってくれるように祈っています。
1.紀平梨花選手の試合前のコメント
四大陸選手権に出場予定の紀平梨花選手は「ノーミスの演技をして、自己ベストを更新したい」「トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の確率が上がっている。今はすごく調子がいい」とコメントしています。習得を目指す4回転ジャンプに向けては「今から練習して、来シーズンまでに仕上げられれば」とイメージしているようです。4回転ジャンプが無くても現状での完成度の高い演技で観客を魅力して欲しいです。2月4日、紀平選手はロサンゼルス郊外のアイスリンクで約3時間、練習しました。傷んでいた左足スケート靴だけを新しくし、新調したばかりのスケート靴の感覚を慣らすため、精力的にジャンプを跳びました。ルッツやフリップで転倒する場面もありましたが、徐々に修正し、ショートの音楽を流した練習では冒頭のトリプルアクセルを含めた3つ全てのジャンプを成功させていました。
2.紀平梨花選手が左薬指を負傷(2月6日)
2月6日、紀平選手が練習会場で公式練習に臨みましたが、ジャンプで転倒した際に左薬指を氷に打ちつけて負傷してしまいました。取材ゾーンに引き上げてきた紀平選手。笑顔は絶やさなかったものの、怪我の症状が心配です。紀平選手は「多分、突き指だとは思うんですけど、けっこうやばいと思うんです。今からどういう風に(腫れや痛みが)引いてくるか。薬指が青くなっていて、まだなんともという感じです」とコメント。その後は患部にテーピングを施して練習を続けましたが、内出血がある模様。紀平選手は「じんじんしている。(試合に)間に合うか、という感じ。突き指だと思うけど…。けっこうやばいです」と説明し、医師の診断を受けると明かしました。現段階では歩いても患部に響く状態だそうで「冷やして、明日(2月7日)どんな状態になるか」と不安を口にしました。
3.診断結果は、左手薬指第二関節の亜脱臼(2月7日)
2月7日の朝に現地の病院でX線を撮り、日本スケート連盟に帯同する医師が「左手薬指第二関節の亜脱臼」と診断しました。亜脱臼ということで、骨折で無く安心しました。また「前日より痛みが軽減されている」ようなので、演技当日、さらに痛みが引いていてくれることを祈ります。午前の公式練習には15分遅れて参加。午前中はトリプルアクセルを跳びませんでしたが、午後の練習でチャレンジし、2回成功させました。浜田美栄コーチは、2月7日(日本時間7日)のショートプログラムでの大技投入について「跳ぶでしょう」と語り、演技構成を落とさない方向性を示しました。左薬指を亜脱臼した状態でどのような演技を見せてくれるのか、紀平選手の対処についても注目してみたいです。
4.四大陸選手権の日程・放送予定
四大陸選手権のシニア男子シングル、シニア女子シングルの日程はこちら。テレビ放送予定と合わせてご紹介します。日程(日本時間) | 種目 | テレビ放送 |
---|---|---|
2/08(金) 05:30~ | 女子SP | フジテレビ(録画) 19:57~21:55 |
2/08(金) 11:15~ | 男子SP | フジテレビ(録画) 19:57~21:55 |
2/09(土) 12:00~ | 女子FS | フジテレビ(録画) 19:00~21:00 |
2/10(日) 12:00~ | 男子FS | フジテレビ(録画) 19:00~21:00 |
5.女子フィギュアスケート結果
四大陸選手権には日本から、紀平梨花選手、坂本花織選手、三原舞依選手が出場しました。【ショートプログラム】滑走順
2月7日、シニア女子ショートプラグラムの滑走順抽選が行われました。滑走順 | 選手 | 滑走時刻 |
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19番目 | 紀平梨花 | 2月8日 8時14分~ |
20番目 | 坂本花織 | 2月8日 8時20分~ |
22番目 | 三原舞依 | 2月8日 8時33分~ |
※ 時間は全て日本時間。
※ 女子参加者は22名。
【ショートプログラム】結果
2月8日、シニア女子ショートが終わり、坂本選手が73.36点で2位、紀平選手が68.85点で5位、三原選手が65.15点で8位となりました。順位 | 選手 | 国 | ショート 自己ベスト |
ショート 今回点数 |
トップとの 点数差 |
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1 | ブレイディ・テネル | アメリカ | 68.94 | 73.91 | – |
2 | 坂本花織 | 日本 | 73.18 | 73.36 | 0.55 |
3 | マライア・ベル | アメリカ | 63.85 | 70.02 | 3.89 |
4 | イム・ウンス | 韓国 | 69.78 | 69.14 | 4.77 |
5 | 紀平梨花 | 日本 | 82.51 | 68.85 | 5.06 |
8 | 三原舞依 | 日本 | 72.10 | 65.15 | 8.76 |
【紀平梨花選手】
【坂本花織選手】
【三原舞依選手】
【フリースケーティング】滑走順
シニア女子フリースケーティングの滑走順が決まりました。滑走順 | 選手 | 滑走時刻 |
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16番目 | 三原舞依(SP 8位) | 2月9日 14:36~ |
19番目 | 紀平梨花(SP 5位) | 2月9日 15:08~ |
22番目 | 坂本花織(SP 2位) | 2月9日 15:33~ |
※ 時間は全て日本時間。
※ 女子参加者は22名。
【フリースケーティング】結果
2月9日、シニア女子フリースケーティングが行われました。上位5位までの選手および日本選手の点数と自己ベストはこちらです。紀平選手が怪我をしていてもトリプルアクセルを決め、圧巻の滑りで大逆転、みごと優勝しました。これで今季出場した国際大会は5戦5勝となりました。順位 | 選手 | 国 | ショート 自己ベスト |
フリー 自己ベスト |
合計 自己ベスト |
ショート 今回点数 |
フリー 今回点数 |
合計 今回点数 |
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紀平梨花 | 日本 | 82.51 | 154.72 | 233.12 | 68.85 | 153.14 | 221.99 | |
エリザベート・ トゥルシンバエワ |
カザフスタン | 66.87 | 138.69 | 200.98 | 68.09 | 139.37 | 207.46 | |
三原舞依 | 日本 | 72.10 | 146.17 | 218.27 | 65.15 | 141.97 | 207.12 | |
4 | 坂本花織 | 日本 | 73.18 | 142.87 | 214.21 | 73.36 | 133.43 | 206.79 |
5 | ブレイディ・テネル | アメリカ | 68.94 | 137.09 | 204.10 | 73.91 | 128.16 | 202.07 |
6 | マライア・ベル | アメリカ | 63.85 | 130.67 | 191.59 | 70.02 | 123.92 | 193.94 |
7 | イム・ウンス | 韓国 | 69.78 | 127.91 | 196.31 | 69.14 | 122.71 | 191.85 |
【紀平梨花選手】
※ 演技後に投げ入れられたクマのぬいぐるみをキス&クライで抱く紀平梨花選手。
【坂本花織選手】
※ キス&クライで悔し涙を流す坂本花織選手。2位まで0.67点の僅差、、