10月17日に行われた第49期新人王戦・三番勝負の第2局で、藤井聡太七段が出口若武(わかむ)奨励会三段に勝利し、新人王戦優勝を決めました。新人王戦・三番勝負では先に2勝した棋士が優勝です。藤井七段は10月10日の第1局目で既に1勝していました。
今回は先手でしたので、下から上に攻めているのが藤井七段です。
1.新人王の最年少記録更新!
今までの新人王戦優勝最年少記録は17歳0カ月で優勝した森内九段が持っていましたが、この対局で藤井七段が16歳2ヶ月で新人王となったことで、新人王の最年少記録を31年ぶりに塗り替えました。昨年も史上初の29連勝という連勝記録を樹立しており、藤井七段の快挙が続いています。プロになって間もない高校生が大人たちと対局して、次々と快挙を達成するところに惹かれます。
これからもさらなる活躍を見せてほしいです!
2.新人王戦の出場資格
新人王戦の出場資格は六段までです。第49期新人王戦が始まったときは藤井七段はまだ四段でしたので出場資格がありました。その後、五段、六段、七段へと今までにないスピードで昇段しました。そのため次回以降、藤井七段には新人王戦の出場資格がありませんので、16歳にして最初で最後の新人王になります。第11回朝日杯将棋オープン戦で優勝した時もそうでしたが、既にタイトルホルダーにも勝利しています。快挙が続いており、トップ棋士と言っても過言ではない藤井七段に「新人王」は似合わない感じがします。
3.新人王の次はどのタイトルを獲得できるか?
新人王になったばかりですが、新人王の次は八つあるタイトルのどれを取るか、ということを注目されています。獲得する可能性のあるタイトルのうち一番早いものは、来年4月~6月に決まる叡王戦です。叡王戦は「段位別予選⇒本戦⇒決勝七番勝負」という流れで勝ち進んでいく必要がありますが、藤井七段は段位別予選(七段戦)を突破しており、すでに本戦進出を決めています。本戦の初戦で対局する相手は、斎藤慎太郎七段です。7月6日に行われた第66期王座戦挑戦者決定トーメントで藤井七段は斎藤七段に敗北しており、今回はリベンジの一戦となります。リベンジを果たし、藤井七段が叡王戦のタイトル獲得することを期待しています。