2019年シーズン初大会となるブリスベン国際(オーストラリア)に錦織圭選手が登場しました。第1シードとして出場予定だったラファエル・ナダル選手(スペイン)は、今大会で公式大会への復帰を予定していましたが、残念ながら左太ももの怪我を理由に欠場しました。
2回戦からの登場した第2シードの錦織選手は決勝戦まで勝ち進みました。決勝戦では世界16位のダニル・メドベージェフ選手(ロシア)にセットカウント2-1で勝利し、みごとに優勝。2016年2月のメンフィスオープン以来、2年11カ月ぶりのツアー優勝で、ツアー通算12勝目となりました。
1.大会概要
大会名 | ブリスベン国際 |
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場所 | オーストラリア |
コート | ハード(室外) |
開催期間 | 2018年12月31日 ~ 2019年1月6日 |
出場選手数 | 28 |
グレード | ATP250 |
賞金総額 | $527,880 |
前回大会の優勝者 | ニック・キリオス |
時差 | 日本はブリスベンより1時間遅れています。 |
2.試合日程・結果
第2シードの錦織選手は1回戦が免除され、2回戦からの登場でした。日時 | 試合 | 対戦相手 | 世界 ランク |
試合結果 |
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1/2(水) 11:15~ | 2回戦 | 錦織圭 vs D.クドラ | 63位 | ○2-0 |
1/3(木) 18:00~ | 準々決勝 | 錦織圭 vs G.ディミトロフ | 19位 | ○2-0 |
1/5(土) 14:00~ | 準決勝 | 錦織圭 vs J.シャルディー | 40位 | ○2-0 |
1/6(日) 18:00~ | 決勝 | 錦織圭 vs D.メドベージェフ | 16位 | ○2-1 |
3.トップ選手の世界ランキング・大会成績
トップ選手および錦織選手の対戦相手の世界ランキング(1月5日時点)はこちらです。ランク | 選手 | 国 | ポイント | 試合結果 |
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1 | N.ジョコビッチ | セルビア | 9,045 | ― |
2 | R.ナダル | スペイン | 7,480 | 棄権 |
3 | R.フェデラー | スイス | 6,420 | ― |
4 | A.ズベレフ | ドイツ | 6,385 | ― |
5 | J.デルポトロ | アルゼンチン | 5,300 | ― |
6 | K.アンダーソン | 南アフリカ | 4,710 | ― |
7 | M.チリッチ | クロアチア | 4,250 | ― |
8 | D.ティエム | オーストリア | 4,095 | ― |
9 | 錦織 圭 | 日本 | 3,590 | 優勝 |
10 | J.イスナー | アメリカ | 3,155 | ― |
16 | D.メドベージェフ | ロシア | 1,977 | 準優勝 |
19 | G.ディミトロフ | ブルガリア | 1,835 | ベスト8 |
40 | J.シャルディー | フランス | 1,050 | ベスト4 |
63 | D.クドラ | アメリカ | 810 | 2回戦敗退 |
4.【2回戦】錦織圭 vs D.クドラ(1月2日)
錦織選手は2回戦で世界ランク63位のデニス・クドラ選手と対戦しました。第1セットはお互いに譲らずサービスキープが続く展開。5-5で迎えた第11ゲームで錦織がブレーク。第2セットは主導権を握って有利に試合を進め、危なげなく錦織選手がストレート勝ちで準々決勝進出を決めました。試合時間は1時間19分。選手 | 1 | 2 | SET |
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D.クドラ | 5 | 2 | 0 |
錦織圭 | 7 | 6 | 2 |
[第1セット] 7-5で奪う
第1セットはお互いに持ち味を発揮し、第10ゲームまでキープが続く展開。第11ゲームでクドラ選手のミスからブレークのチャンスを握った錦織選手がこのゲームを獲得。続く第12ゲームは錦織選手が危なげなくキープ。クドラ選手の強力なサーブに苦戦しながらも要所を押さえるテニスを見せ、ゲームカウント7-5で第1セットを錦織選手が先取しました。選手 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | GAME |
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D.クドラ | K | K | K | K | K | 5 | |||||||
錦織圭 | K | K | K | K | K | B | K | 7 |
※K … キープ、B … ブレーク、T … タイブレーク
[第2セット] 6-2で勝利!
第2セット、手に汗握るストローク戦を展開。第1ゲームをいきなりブレーク。第3ゲームは錦織選手が3度のブレークポイントを握るが、ここはクドラ選手が粘りのキープ。続く第4ゲーム、錦織選手は2度のダブルフォルトでピンチを招きますが最後はサービスエースでキープ。第5ゲームも錦織選手がブレークポイントを握りますが、チャンスを逃しクドラ選手がキープ。第6ゲームは僅か56秒で錦織選手がラブゲームキープ。第7ゲームは勢いそのままに錦織選手がラブゲームでブレークに成功。錦織選手のサービング・フォー・ザ・マッチとなった第9ゲーム、最後は華麗なドロップショットでこのゲームを獲得しストレート勝ちを決めました。選手 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | GAME |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
D.クドラ | K | K | 2 | ||||||
錦織圭 | B | K | K | K | B | K | 6 |
※K … キープ、B … ブレーク、T … タイブレーク
5.【準々決勝】錦織圭 vs G.ディミトロフ(1月3日)
錦織選手は準々決勝で世界ランク19位のグリゴル・ディミトロフ選手と対戦しました。第1セットはお互いに譲らずサービスキープが続く展開。5-5で迎えた第11ゲームで錦織がブレーク。第2セットはこの日好調なサーブとネットプレイで試合のペースを握り、錦織選手がストレート勝ちで準決勝進出を決めました。試合時間は1時間40分。選手 | 1 | 2 | SET |
---|---|---|---|
G.ディミトロフ | 5 | 5 | 0 |
錦織圭 | 7 | 7 | 2 |
[第1セット] 7-5で奪う
第1セットはお互いに持ち味を発揮し、サービスゲームのキープが続く展開。第9ゲームではこの試合初めてのデュースとなりますが、ディミトロフ選手が得意のサーブでピンチを凌ぎます。迎えた第111ゲーム、錦織選手がこのゲーム初のブレークポイントを迎えますがディミトロフ選手が2本凌いでデュースに。しかし3度目のブレークポイントを錦織選手が決め、ついにリードを奪うことに成功します。続く第12ゲームを危なげなくキープした錦織選手がゲームカウント7-5で第1セットを先取しました。選手 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | GAME |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
G.ディミトロフ | K | K | K | K | K | 5 | |||||||
錦織圭 | K | K | K | K | K | B | K | 7 |
※K … キープ、B … ブレーク、T … タイブレーク
[第2セット] 7-5で勝利!
第2セット、第2ゲームでディミトロフ選手がこの試合で初めて掴んだブレークのチャンスを決めてリードを奪います。第3ゲームでは錦織選手が2本のブレークポイントを握りますがディミトロフ選手がこれを凌ぎます。迎えた第7ゲーム、錦織選手は2本のブレークポイントを握り、ブレークバックに成功。5-5で迎えた第11ゲーム、ディミトロフ選手の2度のダブルフォルトで舞い込んだブレークチャンスをものにした錦織選手は、続く第12ゲームをキープし、ストレート勝ちをしました。選手 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | GAME |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
G.ディミトロフ | K | B | K | K | K | 5 | |||||||
錦織圭 | K | K | B | K | K | B | K | 7 |
※K … キープ、B … ブレーク、T … タイブレーク
6.【準決勝】錦織圭 vs J.シャルディー(1月5日)
錦織選手は準決勝で世界ランク40位のジェレミー・シャルディー選手と対戦しました。第1セットは第4ゲームまで互いにサービスゲームをキープする展開。第5ゲームから流れが変わり、5ゲーム連取で錦織選手が一気にこのセットを奪いました。第2セットも同じような展開で第4ゲームから5ゲーム連取で錦織選手が熱戦に終止符を打ちました。試合時間は1時間7分。選手 | 1 | 2 | SET |
---|---|---|---|
J.シャルディー | 2 | 2 | 0 |
錦織圭 | 6 | 6 | 2 |
[第1セット] 6-2で奪う
第1セット、シャルディー選手のサービスで始まった第1ゲームは、錦織選手が2ポイントを連取しますがシャルディー選手がキープ。第2ゲームは錦織選手がラブゲームでキープ。第3ゲームはシャルディー選手が206キロのサービスを繰り出すなど、力で圧倒。第4ゲームはシャルディー選手の強打に苦しみながらも、錦織選手が持ちこたえました。迎えた第5ゲーム、シャルディー選手は最初のポイントをダブルフォルトで失うと自らリズムを崩し、錦織選手がブレーク。波に乗った錦織選手は、積極的なネットプレーと変化量の多いサービスでシャルディー選手を翻弄。追い詰められたシャルディー選手は第7ゲームでストロークのミスを連発し、錦織選手がこのセット2度目のブレーク。錦織選手はサービング・フォー・ザ・セットとなった第8ゲームを逆転でキープし、ゲームカウント6-2でこのセットを奪取。錦織選手はアンフォースドエラーわずか5本と、安定した試合運びを見せました。選手 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | GAME |
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J.シャルディー | K | K | 2 | ||||||
錦織圭 | K | K | B | K | B | K | 6 |
※K … キープ、B … ブレーク、T … タイブレーク
[第2セット] 6-2で勝利!
第2セット、手に汗握るストローク戦を展開。第1ゲームはシャルディー選手がキープ、ダブルフォルトにも屈せず攻めの姿勢を貫きました。第2ゲームは錦織選手が2度のブレークポイントを凌いでキープ。第3ゲームはシャルディー選手が2本連続でサービスエースを決めてキープ。第4ゲームは錦織選手がサービスを正確にコントロールして無難にキープ。第5ゲームは機動力に優る錦織選手がコートを駆け回り、機を逃さないバックハンドストロークでブレークに成功。第6ゲームは華麗なネットプレー、ダウンザラインにサービスエースと錦織選手の良さが存分に出てラブゲームでキープ。続く第7ゲームもラブゲームでブレークし、完全に主導権を握ります。錦織選手はサービング・フォー・ザ・マッチとなった第8ゲームをキープ、最後はサービスエースで試合を決めました。ゲームカウントは6-2。錦織選手がストレートでシャルディーを下し、今大会2年ぶりとなる決勝進出を決めました。選手 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | GAME |
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J.シャルディー | K | K | 2 | ||||||
錦織圭 | K | K | B | K | B | K | 6 |
※K … キープ、B … ブレーク、T … タイブレーク
7.【決勝戦】錦織圭 vs D.メドベージェフ(1月6日)
錦織選手は決勝で世界ランク16位のダニル・メドベージェフ選手と対戦しました。接戦の末、セットカウント2-1でメドベージェフ選手に勝利し、ツアー優勝を飾りました。試合時間は2時間4分。選手 | 1 | 2 | 3 | SET |
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D.メドベージェフ | 4 | 6 | 2 | 1 |
錦織圭 | 6 | 3 | 6 | 2 |
[第1セット] 6-4で奪う
第1ゲームはバックハンドの打ち合いになり、メドベージェフ選手がキープ。第2ゲームは錦織選手が18本のラリーを落としてトリプルのブレークポイントを握られるますが、連続ポイントでデュースに持ち込みます。しかし、強打に屈する形でメドベージェフ選手にブレークを許してしまいます。第3ゲームは錦織選手がブレークチャンスを迎えましたが、バックハンドの精度を欠き、メドベージェフ選手がキープ。第4ゲームは錦織選手がファーストサービスの精度を取り戻し、このセット初めてゲームを奪います。迎えた第5ゲーム、錦織選手は高速サービスにフォアハンドで対応してブレークバック。錦織選手は続く第6ゲームでも抜群のストロークを見せ、ゲームカウント3-3とします。第7ゲームは錦織選手がサービスのコースを読み、体を開いてのフォアハンドリターンでエースを奪いブレークに成功。第8ゲームからはニューボールが投入され、錦織選手がサービスをコントロール。第9ゲームは錦織選手が2本連続でリターンエースを決めますが、メドベージェフ選手が譲らず。錦織選手はサービング・フォー・ザ・セットとなった第10ゲームをラブゲームでキープ。ゲームカウント6-4で第1セットを先取しました。選手 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | GAME |
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D.メドベージェフ | K | B | K | K | 4 | ||||||
錦織圭 | K | B | K | B | K | K | 6 |
※K … キープ、B … ブレーク、T … タイブレーク
[第2セット] 3-6で落とす
第2セットは、手に汗握るストローク戦を展開。第1ゲームは4度のデュースの末にメドベージェフ選手がキープ。第4ゲームは錦織選手が0-30からの逆転でキープ。ゲームカウント2-2で迎えた第5ゲーム、錦織選手は得意のアクロバティックなバックハンドウィナーを決めてブレークポイントを握りますが、メドベージェフ選手も声を発しながらのプレーでこれを凌ぎます。4度のデュースを制したのはまたもメドベージェフ選手。17本のラリーをポイントにつなげ、サービスエースでキープ。打って変わって第6ゲームは錦織選手がラブゲームでキープ。メドベージェフ選手がニューボールを手にし、怒りでラケットを破壊した第7ゲームは激闘となります。息を飲むラリーの応酬となりましたが、3度のデュースを切り抜けたメドベージェフ選手がキープ。第8ゲームはメドベージェフ選手が22本のラリーをものにしてブレークポイントをつかむと、絶妙なダウンザラインでブレーク成功。メドベージェフ選手はサービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームをキープ。ゲームカウント6-3で第2セットを奪いました。錦織選手は8回訪れたブレークポイントを生かせませんでした。選手 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | GAME |
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D.メドベージェフ | K | K | K | K | B | K | 6 | |||
錦織圭 | K | K | K | 3 |
※K … キープ、B … ブレーク、T … タイブレーク
[第3セット] 6-2で奪い、優勝!
運命の第3セット、第1ゲームは錦織選手が2本のダブルフォルトでポイントを失いますが、粘りのテニスでキープ。第2ゲームはメドベージェフ選手のサービスが唸り、ラブゲームでキープ。第3ゲームは錦織選手がサービスエースや鮮やかなフォアハンドウィナーを決め、0-30からの逆転でキープ。第4ゲームはメドベージェフ選手がダブルフォルトからフォアハンドのミスを連発し、錦織選手がブレーク。錦織選手はフォアハンドでポイントを取り、第5ゲームをキープ。第6ゲームでは精度の高いリターンを繰り出して、再びブレーク。ゲームカウント5-1とリードします。王手をかけた錦織選手でしたが、ニューボールを手にした第7ゲームをラブゲームでブレークされてしまいます。しかし第8ゲーム、メドベージェフ選手のダブルフォルトから錦織選手はトリプルのチャンピオンシップポイントをつかみ、最後はバックハンドウィナーで2時間4分の戦いに終止符。ゲームカウント6-2でファイナルセットを制し、3年ぶり12度目となるツアー優勝を成し遂げました。
選手 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | GAME |
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D.メドベージェフ | K | B | 2 | ||||||
錦織圭 | K | K | B | K | B | B | 6 |
※K … キープ、B … ブレーク、T … タイブレーク
8.錦織圭出場のテニス大会
錦織圭選手が出場のテニス大会の大会日程・試合予定・試合結果はこちらです。日程 | 大会名 | 試合結果 |
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2018年12月31日~01月06日 | ブリスベン国際 | 優勝 |
2019年01月14日~01月27日 | 全豪オープン | ベスト8 |
2019年02月11日~02月17日 | ABNアムロ世界テニストーナメント | ベスト4 |
2019年02月25日~03月02日 | ドバイDuty Freeテニス選手権 | 2回戦敗退 |
2019年03月06日~03月17日 | BNPパリバ・オープン | 3回戦敗退 |
2019年03月20日~03月31日 | マイアミ・オープン | 2回戦敗退 |
2019年04月14日~04月21日 | モンテカルロ・マスターズ | |
2019年04月22日~04月28日 | バルセロナ・オープン |